一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会
Case:安定したオンライン研修環境の整備・動画配信/運営業務の負担軽減と効率化
一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会
Case:安定したオンライン研修環境の整備・動画配信/運営業務の負担軽減と効率化
導入の背景 | コロナ禍で資格者養成セミナーを対面からオンラインへ移行、 安定した動画配信と運営効率化が課題に |
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導入の決め手 |
事業運営にマッチした価格体系と柔軟なカスタマイズ性、 |
導入後の効果 | 安定したオンライン研修で、受講者が希望どおり受講できるようにセミナー運営の事務局負担が軽減され、品質も向上 |
特別支援教育とは、障害のある子供たちの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、持てる力を高めて、生活や学習上の困難を改善・克服するために適切な指導や必要な支援を行うものであり、現在その重要性はますます高まっています。
特別支援教育士資格認定協会は“すべては子供たちのために”の理念のもと、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)等によって特別な教育支援を必要としている子供たちに向けて、アセスメントや個別の指導計画の立案・実施ができる人材を育成。専門資格「特別支援教育士(Special Educational Needs Specialist:S.E.N.S、センス)」として数多くのプロフェッショナルを輩出することで、教育の質的向上と福祉の増進に貢献しています。
特別支援教育士の育成カリキュラムは、コロナ禍を経た現在、まとめの研修以外はすべてオンラインで提供されていますが、必要となるIT環境の整備や運営事務の効率化にはいくつかの課題があり、2024年度からコレオス株式会社の「オンライン研修運営サポート」を活用しています。本事例では、特別支援教育士資格認定協会のIT担当者ならびに事務局担当者に、オンライン研修における業務課題やIT製品・サービスの選定ポイント、導入の効果についてお話を伺いました。
特別支援教育士資格認定協会では、特別支援教育の専門家の育成をめざして、2001年3月より特別支援教育士(以下、S.E.N.S)の養成を開始しました。S.E.N.Sの資格認定には必要な知識と技能を身につけるために構成された専門の養成セミナーがあり、従来はすべて対面形式で開催されていましたが、コロナ禍への対応を機に、2019年からはまとめの研修以外のセミナーをオンライン開催へと移行していきました。
試行錯誤と定期的な見直しを重ねることで、特別支援教育士資格認定協会として理想とする運営の枠組みができあがった 一方、 その枠組みどおりの運営を確実に実行するうえで、IT環境と運営体制の双方に課題が見えてきました。
まずIT環境では、S.E.N.Sの研修カリキュラムや個々の教材、テストなどを反映した学習管理システムとあわせて、動画配信システムを用いることでセミナーのリアルタイム配信をしていましたが、システムへの同時接続数の制限が厳しいことと、動画の配信が安定的に行えないことがボトルネックになっていました。
「S.E.N.S養成セミナーは12月を除く5月~1月に毎月1回開催していて、テーマごとに3つにわけたオンライン会場で講義動画をリアルタイム配信しています。毎回800~1000名程度の受講者がいるのですが、研修を安定して行える同時接続数の制限が厳しく、会場ごとに定員を設定していました。超過してしまうとセミナー開催自体に影響するので、常にそれをふまえて受講申込みなどを管理する必要がありました。」と事務局担当者は話します。従来のシステムは共用サーバーを使用しており、アクセス増加は配信遅延や受講トラブルにつながりかねないリスクが内在していました。
また、研修の運営体制では、オンライン研修の受講者登録や教材の設定といった準備から、当日の開催、終了後の視聴確認や合否判定の支援など、一連の業務を委託先の企業に依頼していましたが、事務局側が詳細を確認することも多く、なかなか負担軽減や効率化までには至っていない状況でした。
このような業務課題を受けてIT担当者が調査したところ、いくつかの有力な候補が見つかりました。その中のひとつが、コレオスが提供しているクラウド型の学習管理システム「Open LMS(オープンエルエムエス)」と動画配信システム「Kaltura(カルトゥーラ)」でした。
両者はそれぞれ別の海外製ソフトウェアでしたが、シームレスに連携して使用することができ、その提案から導入支援・運用のサポートは、日本企業であるコレオスの専任チームが対応していました。
「オンライン研修向けの製品サービスは、私たちの業務課題に見合うことを前提として、まずは価格体系が事業運営とマッチしていることを条件に探しました。具体的にはユーザーのID数で費用が決まることです。 これに合致する候補が数社あったため、そこから各社の製品トライアルを実施し、研修運営への支援も含めた提案を受けることで選定を進めていきました。」(IT担当者)
候補となった製品のトライアルや提案には、実際に研修を運営している事務局や意思決定機関である執行部役員も加わり、多角的に評価をしていきました。
その結果、2023年11月、コレオスの提案であるOpen LMSとKalturaを使用したオンライン研修環境と研修運営サポートが採用されました。その決め手について、事務局担当者は次のように語ります。
「執行部役員が一番重視していたポイントは、“組織として信頼できる印象があるか”という点でした。事務局としては、すでに行いたい研修運営のパッケージができていましたので、それを決められたとおり、確実に実行してもらえることが大事でした。コレオスはプレゼンテーションだけでなく、対応の正確性や連絡のやりとりなども含め、私たちのニーズに一番合っていそうな会社だと感じました。」
また、システム面では、課題となっていた安定的な動画配信だけでなく、学習管理システム側のカスタマイズ性も評価できたとIT担当者は話します。
「すでに運用している研修システムからのリプレースとなるため、以前のシステムにあわせてOpen LMSの外観などをカスタマイズできる点も助かりました。研修受講者や事務局に大きな違和感を与えずに使用してもらえるだろうと確信が持てました。」
S.E.N.S養成セミナーのログイン画面
Open LMSのサイトにセミナー名を反映し、システム画面のフォントも受講者が慣れ親しんだテキストブックのフォントに揃えてブランディングしている。
2024年5月、コレオスのオンライン研修運営サポートを使用したS.E.N.S養成セミナーが始まりました。1年間の運営が完了した現在、どのような効果が現れているでしょうか。
S.E.N.S養成セミナーの運営イメージ
「1年経過してみて、従来のようにシステム自体が重くて止まってしまうことがないと実感としてわかってきたので、あまり心配せずに各会場の定員を増やしたり、受講したい方の人数にあわせて会場間の調整をしたりと、柔軟な対応ができるようになりました。受講者の皆さんが受けたいときに受けたいセミナーを受けられるようになって、とてもよかったです。」と事務局担当者は話します。
コレオスのオンライン研修環境は、契約したユーザー数の範囲であれば問題なく同時接続できるため、たとえばA会場に受講者が集中した場合も、B会場やC会場の定員が空いていれば、設定を変更することなく受け入れが可能になりました。
グローバルで使用されているOpen LMSとKalturaは、どちらもAWS(Amazon Web Services)のクラウド環境で提供されており、同時アクセス数などの増減に応じて自動的にリソースを増減させるオートスケーリングに対応しているため、多少のアクセス増加があった場合も、影響なく受講・動画配信できる基盤が整っています。
また、システムが要因となる受講者の再テスト実施も減少できたといいます。
「S.E.N.S養成セミナーでは、受講内容の視聴時間や小テストの結果でそのセミナーの合否を決めるのですが、以前のシステムでは原因不明で小テストの点数が取得できないことがあり、受講者に再テストを受けてもらうことがたびたびありました。コレオスのサービスに切り替えてからは、システムの不具合による再テスト自体を行うことがほとんどなくなりました。」(事務局担当者)
S.E.N.S養成セミナーのコースTOP画面
受講者が迷わないようシンプルなデザインを選択。ここからセミナーのオリエンテーションやテスト操作説明、講義資料などが確認でき、実際のセミナー時間になるとOpen LMS上でKalturaから配信される動画が視聴できる。
「以前は学習管理システム単体で受講状況や小テストの成績を取得する仕組みでしたが、コレオスのサービスの場合、Open LMSとKaltura双方で受講時間や視聴時間が計測できることで、総合的な判断が可能になりました。計測できるデータは、従来とは一部異なるものの、合否判定業務は現在の運用で問題なく行えております。」(IT担当者)
さらに、もうひとつの課題であった研修運営の事務負担軽減についても、事務局担当者は次のように語ります。
※本導入事例の全文はパンフレットでご覧いただけます。
より詳細な導入効果や今後の展望などをお知りになりたい方は、事例ダウンロードフォームより導入事例パンフレットをご請求ください。
“コレオスのサービスに切り替えたことで、
安定したセミナー運営や動画配信が可能になりました。
受講者の皆さんが受けたいときに受けたいセミナーを受けられるようにできて、
とても嬉しく感じています。”― 一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会
事務局担当者様
“Open LMSのUIカスタマイズをはじめ、要望事項や修正なども、
コレオスがしっかり対応してくれています。
良い意味で予想以上でした。”― 一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会
IT担当者様
日本におけるLD(学習障害)・ADHD(注意欠陥多動性障害)等の発達障害に関する教育を推進するため、専門資格となる「特別支援教育士(S.E.N.S)」および「特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)」の育成や資格認定等を実施。2001年3月より開始した特別支援教育士(旧称:LD教育士)の教育・養成を通じ、LD・ADHD等のアセスメントと指導の専門知識を持つプロフェッショナルを輩出することで、LD等を有する児(者)に対する教育の質的向上と福祉の増進に貢献している。
設立年:2009年4月
所在地:東京都港区浜松町2-11-16
有資格者数:5,992名(2025年4月1日時点)
https://www.sens.or.jp/
(2025年4月時点)
※ テキストの出版社である株式会社金剛出版のWebサイトに遷移いたします。
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