業務効率化における課題と改善に向けた5つのアイデア
業務効率は、企業の生産性に関わる重要な要素の一つです。
限られたリソースで効率的に業務を行うことは、生産性の向上をはじめ、残業削減による働きやすさの向上、人件費の削減、売上の向上など、組織全体によい影響をもたらすことが期待されます。
業務効率化を図る場合は、現状の業務課題を洗い出したうえで作業方法やプロセスを見直していくことが重要です。
この記事では、業務効率化における課題と、改善に向けたアイデアを5つご紹介します。
目次[非表示]
- 1.業務効率化における課題
- 1.1.紙の書類や人の手による処理・管理
- 1.2.業務の属人化
- 1.3.既存システムのブラックボックス化
- 2.業務改善に向けた5つのアイデア
- 2.1.①非効率・不要な業務の見直し
- 2.2.②業務マニュアル・フローチャートの作成
- 2.3.③業務のデジタル化
- 2.4.④BPMの実施
- 2.5.⑤アイデアを組み合わせる
- 3.まとめ
業務効率化における課題
アナログな業務が残っていたり、既存システムがブラックボックス化(※)していたりする状態では、業務効率が低下しやすくなります。
業務効率化を進めるうえでの課題として、以下が挙げられます。
※ブラックボックス化とは、業務やシステムの内部構造が複雑・不透明になっている状態のこと。
紙の書類や人の手による処理・管理
紙の書類や人の手による処理・管理といったアナログな業務が残っている現場では、業務効率が低下しやすくなります。
アナログ業務では、紙の書類の処理や情報管理に労力・時間がかかる、入力ミスや伝達漏れなどの人的ミスが発生しやすい、といった課題が挙げられます。
また、社内の申請・承認のプロセスにおいても、社内規定として定められた申請ルールはあるものの、申請の都度、規定を確認しなければならず工数増となるケースも少なくありません。
▼アナログ業務によって起こる問題
- 業務効率の低下や人的ミスが発生しやすい
- 各種申請の都度、規定の確認を行うため工数が増える
- 申請書類の手戻りの際に再申請に労力がかかる
- 書類現物を確認する必要があるため、承認者の外出等で承認待ちのロスが発生する
- 上記のような対応に時間が割かれ、コア業務に時間を充てられない
業務の属人化
業務効率化が進まない原因には、業務が属人化していることも挙げられます。
特定の担当者が一つの業務に対応していたり、担当者によって作業方法や業務フローが異なったりしている状態では、次のような問題につながります。
▼業務の属人化によって起こる問題
- ほかの担当者・部署が進捗状況を把握できず、業務の停滞や手戻りが発生しやすくなる
- スキルにばらつきが生まれて業務品質を担保できなくなる
- 担当者のスキル・ノウハウが共有されず、社内でのナレッジ共有が進まない
- 業務知識のある人が異動・離籍すると、同じ品質で業務ができなくなる
既存システムのブラックボックス化
既存システムがブラックボックス化していることも、業務効率化が進まない原因の一つです。
部署ごとに最適化されたシステムを利用している、または部署独自のシステム開発・機能追加が行われている場合は、システムが複雑化してしまい、ブラックボックス化しやすくなります。
既存システムがブラックボックス化すると、次のような問題につながります。
▼既存システムのブラックボックス化によって起こる問題
- 組織横断的な連携・データ活用ができず、業務プロセスが複雑になる
- 社内での進捗確認やデータ共有、申請・承認などに複数の工数が発生する
- 保守運用にかかる労力・コストが増大する
業務効率化を進めようとしても、ブラックボックス化した既存システムが足枷となり、業務プロセスやシステムの刷新が難しくなるケースも少なくありません。
業務改善に向けた5つのアイデア
業務を効率化するには、業務フローの見直しや標準化、アナログ業務のデジタル化を進めることがカギとなります。
ここからは、業務改善を図るためのアイデアを5つ紹介します。
①非効率・不要な業務の見直し
業務改善を図るために、非効率または不要な業務を見直します。業務の棚卸を行い、改善できる箇所がないか課題を抽出することがポイントです。
定型化しているノンコア業務の量・回数を減らしたり、やり方を変えたりすることで、業務のスリム化を図れます。本来のコア業務に時間を充てられるようになるため、業務の改善につながります。
▼非効率・不要な業務を改善する方法
- 定例化している会議やミーティングをなくす
- 会議の目的に応じて参加者を絞り込む
- 定型業務の報告や資料作成をなくす
- 業務量・スキルに応じて担当者の配置を見直す
- チームや個人の業務を分業化する
- 業務の優先度を設定して、対応時間やスケジュールを振り分ける
②業務マニュアル・フローチャートの作成
属人化による業務効率の低下を改善するために、業務マニュアル・フローチャートを作成する方法があります。
業務マニュアルやフローチャートを作成して、作業方法・進め方を社内で統一することで、業務の標準化を図れます。従業員は、これらのマニュアル・フローに沿って業務を行えるため、属人化やスキルのばらつきを解消でき、業務効率の向上につながります。
③業務のデジタル化
業務のデジタル化を図り、労力・時間がかかるアナログな業務を見直すことも有効です。ITツール・システムを活用して、紙の書類を電子化したり、人の手による作業を自動化・省人化したりすることで、業務量・業務フローが削減されて、業務効率が向上します。
また、削減したリソースをほかの業務に充てられるため、組織全体の生産性向上にもつながります。
▼業務をデジタル化する方法
- データベースツールで業務情報を一元管理する
- 文書管理ツールやオンラインストレージでデータを一元管理する
- コミュニケーションツールで情報共有を円滑化する
- Web会議ツールで会議・商談をオンライン化する
- ワークフローツールで決裁フローを短縮する
- RPAツールやVBAを活用して業務処理を自動化する
業務のデジタル化については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
④BPMの実施
業務改善に有効な取り組みとして、BPMが挙げられます。
BPM(Business Process Management:業務プロセス管理)とは、業務プロセスを可視化して分析・改善を行い、継続的に改善・最適化していくことを指します。
このBPMの取り組みに役立てられるのがBPMツールです。BPMツールを活用することで、以下のような対応が可能になります。
▼BPMツールでできること
- 業務プロセスのモデル図を作成してシステムを構築する
- 各業務のログを集計して、プロセスの監視や課題点の発見を行う
- 紙の書類をデータ化して蓄積・共有する
- 人の手による処理を自動化する
- 社内の申請・承認フローや業務規定を設定して、分岐の判断を自動化する
BPMツールの活用によって、あらかじめ設定したルールに沿った業務処理やデータ連携を自動で行えるため、業務量の削減、人的ミスの軽減、属人化の解消にもつながります。
⑤アイデアを組み合わせる
組織の全体的な業務改善につなげるために、上記で紹介したアイデアを複数組み合わせることがポイントです。
▼アイデアを組み合わせる例
アイデア1 |
アイデア2 |
課題解決方法 |
コンプライアンスを徹底する |
人的負担を軽減する |
|
業務改善のアイデアを出す際は、目的や課題を明確化したうえで、どのような方法が課題解決に適しているかを見極める必要があります。
その際、一度にすべての見直し行うと、現場に混乱が生じたり、コストが負担になったりする可能性があるため、重要度・緊急度が高い業務から順に進めることも重要です。また、業務フローの変更やデジタル化を行ったあとは、効果検証を行い、改善へとつなげていくことも欠かせません。
まとめ
この記事では、業務効率化について以下の内容を紹介しました。
- 業務効率化における課題
- 業務改善に向けた5つのアイデア
アナログ業務や属人的な業務、ブラックボックス化している既存システムがある場合、業務改善につなげるためには、非効率な業務を見直す、業務マニュアルやフローチャートを作成する、業務をデジタル化する、BPMを実施するなどが挙げられます。
より効率的な業務体制を構築するためには、自社の課題や目的を明確にしたうえで、複数のアイデアを組み合わせたり、効果検証を実施して継続的に改善したりすることも大切です。
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