学校法人 早稲田大学(教育機関)
Case:LMSクラウド化、ブレンディッドラーニング
導入の背景 | インターネットの進化とともにLMSのメンテナンスコストが増大 |
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導入の決め手 | 6万人規模のクラウドでの運用実績、機能、コスト面からOpen LMSを採用 |
導入後の効果 | 成績、学生とのエンゲージメントが改善。なくてはならないツールに |
“私学の雄”として知られる早稲田大学は、13の学部と22の大学院(専門職大学院を含む)に約5万人の学生が学ぶ、国内有数の大学です。創立150周年(2032年)に向けて策定された中長期計画“Waseda Vision 150”のもと、対面授業とオンライン授業を組み合わせたブレンディッドラーニングを推進しています。
2000年代にアメリカの先進的な大学の取り組みに倣い、学生の学習環境の向上のためにデジタル化を進める方針で独自開発のLMSを導入。改良を重ねながら教員が必要とする機能をほぼ全てそろえてきましたが、昨今、インターネットの進化とともに、メンテナンスにかかるコスト面の負担が大きくなってきたため、同学は新たなLMSの導入を検討することにしました。
LMSの見直しを検討した理由に、商用LMSの機能が充実してきたことが挙げられます。独自開発のLMSでは、学生の履修科目の一覧表示、担当教員からの連絡、教材の配信などワンストップでできる学修支援環境を提供してきましたが、インターネット環境の変化が激しくなる中、メンテナンスにかかるコスト面の負担が増え、マルチデバイス対応も十分ではありませんでした。
複数の商用LMSを比較検討した結果、独自開発のLMSに搭載してきた様々な機能の多くがサポートされる事がわかりました。また、Open LMSはベースがMoodleのため、既に数多くのマニュアルが存在しており、検索すればだいたいわかるところも便利です。学内のさまざまなシステムと共にLMSもクラウド化の方向で検討し、全学で6万人規模の運用実績があることも一つの決め手となりました。
2020年度の春学期は全ての授業がオンラインになったこともあり、ほぼ全ての科目でOpen LMS(Waseda Moodle)が利用されました。特にOpen LMSに移行後によく利用されるようになった小テスト機能においては、あらかじめ正解を設定することで自動採点が可能で、後から正解の修正が必要な場合もセットし直して再採点ができます。
また、学生・教員間のメッセージ機能で、対面の授業では教員に質問しにくいと感じる学生も、気軽に質問をすることができます。卒業論文等の提出もOpen LMS経由に切り替わり、提出に伴うトラブルのリスクがなくなり、採点した課題も学生に返却しやすくなりました。学生同士でレポートの相互評価ができる機能も注目されています。
Waseda Vision150の核心戦略の1つに『対話型、問題発見・解決型教育への移行』が挙げられています。グローバル化を進める中で、大学の差別化のポイントは、教場で一方通行で講義を行うことではなく、学生とのインタラクションを通じて、学生の能力を高めていくことにあります。そのために我々はLMSをさらに活用していくべきだと考えています。現状は学生と教員との間での対話が中心になっていますが、今後は同じ科目を履修する学生同士のインタラクションも高めていく予定です。コロナ禍で、全ての科目がOpen LMS上で配信されたことで、データが集まるようになりましたので、得られるデータを新たな教育方法の開発に活かしていきたいと考えています。
“従来の対面授業では難しかった学習機会の提供やインタラクションなどを可能にする
Open LMSは、一部の学生だけでなく、あらゆるレベルの学生の能力を高めることに寄与できるツールだと思います”― 学校法人早稲田大学 CIO 基幹理工学部 山名 早人 教授
大隈重信が創設した東京専門学校が前身。「私学の雄」と称され、創立150周年(2032年)に向けたWaseda Vision150のもと、「世界で輝くWASEDA」を目指す。
所在地:東京都新宿区西早稲田1-6-1
設立:1882年10月21日
学部数:13学部、22大学院
学生数:50,947名(2020年度)
https://www.waseda.jp/
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